”敵を知り己を知れば百戦危うからず”、ガン細胞の生き残り戦略を知ろう!(その2) – プラズマサロン ひだまり庵

ひだまり庵 公式ブログ

”敵を知り己を知れば百戦危うからず”、ガン細胞の生き残り戦略を知ろう!(その2)

ガン幹細胞のエネルギー獲得戦略は多彩です。
ガン細胞のミトコンドリアは、酸素が少ない場所で採用している「フマル酸呼吸」を使い、比較的高濃度に存在する二酸化炭素を用いて細胞質内でオキサロ酢酸を作り、それからリンゴ酸に変換してからミトコンドリア内に取り込み、そこでフマル酸に変換します。そのフマル酸は、電子伝達系における最終受容体として酸素分子の代わりに働きます。
このフマル酸呼吸は、通常の好気呼吸に比べてエネルギー効率は悪いのですが、解糖系のみによる呼吸よりも効率は良いのです。
さらに、ガン細胞はケトン体をも利用できるのです。
ガンにケトン食を実行すると、細胞周りの環境が更に悪化してしまい、ガン化しなければならない理由が更に増えることになります。
ヒトの肝ガンや肺ガンの細胞では、グルコーストランスポーター(GULT)よりも、ケトン体を引き込むモノカルボン酸トランスポーターのほうが強く発現しています。さらに、標識にしたグルコースを取り込ませて存在を確認するPET(ポジトロン断層法)を利用しても、その存在が確認できないガン組織が存在することが、ガン細胞が必ずしもグルコースに依存しているのではなくてケトン体も利用できる証拠になります。


さて、ガン細胞は、染色体異常や遺伝子変異を積極的に起こします。
このとき、どのガン細胞にも共通したDNA変異は存在しないことが分かっています。
要するに、ガン化の決め手になる遺伝子が特定できないわけです。
そもそも染色体異常や遺伝子変異は、生物が進化するために必須となる生命現象なのです。
ですから、ガン細胞に見られる染色体異常や遺伝子変異は、ガン化に必須なものではなくて、どちらかと言えば、ガン化の途中で生じたものであり、悪環境を生き残るためにより有利な能力を獲得するためなのです。
決して、染色体異常や遺伝子変異によりガン化したのではないということです。
なお、ガン幹細胞は、原本としての正常な遺伝子を保存しなければならないため、変異させるのは娘細胞であるガン細胞が主となります。
また、細胞分裂速度を速め、猛毒環境に適応できる変異細胞をいち早く得る姿が「スキルス性」ということになります。


ガン細胞に見られる主な特長としては、ガン細胞は先祖返りをするといわれているように、胎児のように上皮小体ホルモン関連ペプチド(PTHrP)を放出します。どういうことかと言いますと、上皮小体ホルモン関連ペプチドにより、破骨細胞は骨吸収を促進し、腎臓はカルシウムの再吸収を促進し、腸管はカルシウムの吸収を促進するために、高カルシウム血症になります。
つまり、ガン細胞が上皮小体ホルモン関連ペプチドを放出する理由は、ガン細胞が多くのカルシウムを必要とするからです。
カルシウムイオンは、細胞が様々な活動のスイッチング(活動の制御)に必須のものです。


ガン細胞が転移するのは、その部位の環境が悪いためであり、決して遺伝子が壊れているからデタラメな活動をしているのではありません。
ガン細胞はある程度増殖し大きくなると(平均直径5mm以上)、既存の血管から新たな血管がガン組織の中に新生されてきます。
その血管は、内皮細胞が分厚く、少し荒めに配列したガン専用の血管であり、「腫瘍血管」と呼ばれています。この血管新生の元になる血管内皮細胞は、ガン細胞自体が血管内皮細胞に分化したり、骨髄から新たに供給されたりすることもあります。
特に、放射線治療などによって局所の血管内皮細胞が多量に破壊された場合、骨髄からの造血幹細胞の供給量が増加します。
つまり、骨髄は驚くべき連携プレーでガン細胞を助けているわけです。


以上のように、体内でガン細胞が増殖しているとき、他の組織の全細胞にガン化した旨の連絡が届いており、全細胞が一丸となってガンの成長を促すように活動するようになっているのです。
それは、あくまで体内環境が悪化したことによることなのです。体がそのことにより、必要にせまられてガン細胞を生み出したのであり、あるいは転移を進めたのであり、必要性がなくなれば、ガン細胞は定着した組織の正常な細胞に再分化するのです。

今までのガンの生き残り戦略を知ると、今我々人類が地球のガン細胞と化して、地球資源を使ってさらなる環境破壊を行っている姿と相似します。
地球環境の悪化がさらなる自然災害を引き起こして、規模や頻度も増大しています。
人類が少しでも地球環境にやさしい行動を取り戻すのならば、必ず自然現象も穏やかになると思います。
無理なくできる地球にやさしい行動を、これから少しでもやって行こうではありませんか。
ちなみに、ヒントはプラズマとプロトンの技術にあると今現在直感しています。

2019.10.13[ がんを理解しよう ]

ご予約はお電話で

080-7573-6200

(完全予約制)