メラトニンは単に睡眠を促すホルモンではなく、がんを退縮させるための必須の物質です – プラズマサロン ひだまり庵

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メラトニンは単に睡眠を促すホルモンではなく、がんを退縮させるための必須の物質です

睡眠を促す働きで知られているメラトニンは、微生物、植物、動物のそれぞれにおいて普遍的に存在するホルモンです。
ヒトにおいては、主に脳の中心付近にある松果体という、直径8~10mmほどの小さな組織で合成されるホルモンです。(網膜、皮膚、消化管、骨髄等でも合成されるとの報告もあります)
しかし、脳を持たない微生物や植物にも、ヒトのような睡眠という活動を伴わないにもかかわらず、メラトニンを合成して活用しています。
ヒトの場合、メラトニンが抗がん作用を示したり、免疫増強作用を示したり、全身的な若返り作用を示したりすることは紛れもない事実であり、それを裏付ける研究報告は増加の一途をたどっています。このようなメラトニンの情報をお伝えします。


メラトニンの血中濃度は、夜間の暗くなった時に高まりますが、その濃度の上昇は5~10歳が最も高く、その後、年齢につれ低下していきます。50代では4分の1程度まで低下し、70代以降では10分の1以下にまで低下してしまいます。それが、歳を取るにつれて熟睡している時間が少なくなることにつながります。
また、10歳を過ぎると、メラトニンの分泌量が低下していきますが、このことで性腺刺激ホルモン放出抑制ホルモンの分泌量の低下につながり、思春期が始まることになります。
この思春期は、テレビやスマホ、ゲームや勉強などで睡眠時間が削られることにより、メラトニン濃度を低下させたことが原因で早まります。
乳製品の過剰摂取の食生活でも思春期を早めますが、これらのことで乳がんが増加することになります。
ですから、小学生までは早く寝かせて、しっかり睡眠をとらせましょう。

また、メラトニンは各種免疫担当細胞に影響を与え、液性免疫に対しては不活化の方向に(アレルギー疾患を抑える方向)、細胞性免疫に対しては活性化の方向に傾けることで、がん治療にとっても有利になります。裏を返せば、がん患者さんは夜に熟睡できないために、メラトニン濃度が高まらず、その結果としてTh2(液性免疫)優位になっているとも言えます。
免疫をつかさどるリンパ球や胸腺、脾臓、リンパ節等には、メラトニン受容体が存在することが確認されています。よって、メラトニン濃度が低下するような生活習慣を避けることが、がんをはじめとした多くの疾患のリスクを予防することになります。

 

さて、メラトニンはラジカルスカベンジャー(抗酸化物質)として、非常に高い能力を持っています。
メラトニンは、複数の代謝経路を経て代謝されますが、その反応においてさまざまな活性酸素種を吸収しながら変化して行きます。それも、化学反応が一方向に進むだけであり、決して逆戻りしないので、相手を酸化させることが無いのです。ゆえに、この性質から、メラトニンは末端抗酸化物質とも言われています。
さらに、メラトニンはスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)、カタラーゼ(CAT)などの抗酸化酵素に働きかけて、その活性を高めることが確認されています。
そして、メラトニンがさらに優れている特徴は、生体膜のリン脂質二重層を透過できるので、血液脳関門や神経細胞の細胞膜、さらにミトコンドリアの生体膜まで容易に通過でき、脳内やミトコンドリア内のラジカルスカベンジャーとしても大変貴重な物質であるということです。

 

メラトニンには、抗がん作用を示す他のメカニズムもあります。
それは、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を抑制するというものです。VEGFは、低酸素状態になった細胞により産生され、これを受け取る血管内皮細胞増殖因子受容体への結合により、血管内皮細胞の分裂、遊走、分化が促進され、血管が新生されます。しかし、がんにおいては、この血管新生を抑制することが、がん組織の成長を抑制することになります。
その他、Rhoキナーゼを抑制することで、がん細胞の転移を抑制することや、がん抑制因子のP53の発現量を増やし、がん細胞の増殖を抑制する、テロメアーゼ活性を阻害してがん細胞のアポトーシスを誘導する等の報告もあります。


このように、今後もメラトニンによる新たな抗がんメカニズムが報告されるでしょうが、このように見てくると、メラトニンは単に睡眠を促すホルモンであるということよりも、発がんを防ぎ、生じたがんを退縮させるために必須の物質であるということが理解できたでしょう。

 

(参)杏林予防医学研究所アカデミー

2020.04.27[ ホルモン ]

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