がんの砦”がんニッチ”の防御力を知りましょう! – プラズマサロン ひだまり庵

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がんの砦”がんニッチ”の防御力を知りましょう!

がんは決して遺伝子変異が積み重なって出来ているわけではありません。

むしろがんは、生活習慣の乱れ、悪い食習慣、ストレスをかかえた状態などの自身の生活の乱れによる体内環境の悪化、細胞環境の悪化によって、自らがん化を選んで浄化しようとする姿です。幹細胞はがん幹細胞となり、がん幹細胞は自らの複製とがん細胞を多く生み出し始めます。女王バチが働きバチをたくさん産んで集団を大きくして行くようなものです。悪化した環境を浄化するために、自ら様々に遺伝子変異を模索して行くようになります。

その中で、がん幹細胞は様々な生存戦略を作り出します。具体的には、悪化した環境を改善するために解毒機構をパワーアップするために、解毒酵素を増産したり、毒物を細胞外に排出するための細胞膜のポンプを増加するなどします。また、オートファジーを強化して必要な材料を速やかに提供する体制を構築します。

当然、自分の体の細胞なので、細胞表面にはMHCクラスⅠ分子などを提示するなどして免疫細胞の攻撃から逃れます。各種のエキソソームなどの便りを分泌しながら免疫を抑制したりして、がん細胞の増殖に有利な条件を整えて行きます。

そして、さらに大きくなるにつれて(平均的にはがん組織の直径が5mm以上になると)酸素や栄養を供給する独自の血管をがん組織の中に作り出します。ちなみに、この新生血管は内皮細胞が分厚く、少し荒めに配列したがん専用の血管です。新生血管の内皮細胞は、がんの局所の血管内皮細胞以外に、がん細胞自体が分化したり、骨髄から新たに供給されたりして作られます。

このようにして成長してきたがん細胞の塊は、砦のようにがん細胞を始め、各細胞が配置された構造物を構築しています。これが“がん微小環境”であり、別名“がんニッチ”と呼ばれる構造物で、内部にはがん幹細胞と、それによって生み出されたがん細胞、さらに好中球、マクロファージ、リンパ球、繊維芽細胞などが一緒になって塊を形成しています。そして、この微小環境全体をバリアのように細胞外マトリックス(細胞外で形成されている繊維状あるいは網目状の構造体で細胞制御も行っている)で包んでいます。

このがんニッチの中の免疫細胞は、がん細胞を殺すこともなく、むしろ逆にがん細胞の生存や育成に協力しています。代謝も生存しやすいようにする中で、ケトン体を利用できるようにしたり、二酸化炭素を利用するフマル酸呼吸も取り入れたりしています。

さて、がん幹細胞にはもともと抗がん剤が効かないことは知られていました。がんニッチは様々な方法で抗がん剤や放射線からがん幹細胞を守っています。

具体的には、がんニッチの内部の血流を適度に制限して、内部の抗がん剤濃度が上がらないようにします。休眠状態になって抗がん剤を取り込まないようにしたり、放射線からの障害を少なくします。障害されたDNAの修復能力と高めます。抗がん剤を細胞外に排出したり、抗がん剤がターゲットの代謝系を変更したり、抗がん剤そのものの構造を化学的に変化させるなどして薬剤耐性を高めます。アポトーシス(自滅)のシステムを抑えるようにします。

このようにがんニッチは、遺伝子持つの過去の記憶を総動員して、人智を上回る手段を次から次へと繰り出して、生存のための戦略を強化して行きます。

つまり、化学療法はがん幹細胞の生命力を一段と高めるだけなのです。

繰り返しますが、がんは細胞環境の悪化により自らがん化したもので、環境が悪くてそのままでは生き延びられないからこそ、周囲にバリアを設け、その内部だけでも浄化し、住みやすい環境を作り出したものです。風の谷のナウシカに例えると、腐海が汚染された土壌を飲み込んで浄化していく姿です。焼いても無駄で、殺しきれない。きれいな空気と水こそ、腐海の植物が毒を出さずにおとなしくなります。

体内環境に影響を与える食事などをしっかりと見直して改善すると、がんも正常細胞に戻ったり、おとなしくなり共生できます。

このことを理解して、エビデンスに基づいて生活を見直し、自然療法など代替療法を上手く取り入れている欧米では、がんの罹患率や死亡者は減少に転じています。

がんは決して不治の病ではありません。きちんとがんを理解して対処して行きましょう。

2023.06.14[ がんを理解しよう ]

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