紫外線によって皮膚で作られるビタミンDは、私たちの免疫力を維持するために欠かすことのできない栄養素です。 – プラズマサロン ひだまり庵

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紫外線によって皮膚で作られるビタミンDは、私たちの免疫力を維持するために欠かすことのできない栄養素です。

私たち人間は自然界に生かされています。太陽の紫外線は過剰では害になりますが、本来必要不可欠なものです。その大切な紫外線によって、皮膚でビタミンDが作られ、骨を強くするだけでなく、私たちの免疫力を維持する重要な栄養素なのです。


ビタミンDは、他のビタミンのように酵素の働きを助ける補酵素の働きと違います。何かと悪者にされがちなコレステロールから作られるステロイドホルモンの一種です。性ホルモンや副腎皮質ホルモンと同じくらい重要で、細胞膜を通過し、中枢部である細胞の核に働きかけ、さまざまな細胞の働きを指示する役割を担っています。それゆえ、「ビタミンDの本質はホルモン」と言われるのです。

現在コロナ禍の外出自粛により、紫外線を浴びる時間が極端に減少し、ビタミンD不足を招いています。それにより、うつ病患者と似たような症状を呈するリスクが増加しています。

また、冬場の気温低下により、気道粘膜の免疫細胞の働きが鈍くなることが指摘されていますが、近年では、この時期にビタミンDの血中濃度が一番低くなることが原因の一つとして考えられています。

感染症に負けない体を作るためには、ビタミンDは必須の栄養素なのです。ビタミンDは、新型ウイルスや自己免疫疾患など全身の様々な疾患に対してとても大きな予防効果を持っているのです。

ちなみに、オールマイティーな栄養素、ビタミンDの主な働きを以下に列挙します。

 

・カルシウム代謝の正常化

・骨、歯、筋肉の健康

・免疫力の増強

・がん、感染症、自己免疫疾患などの予防

・動脈硬化、心臓病の予防

・糖尿病の予防

・うつ病、社会不安障害の予防

・認知症予防

・筋力低下予防

・死亡率低下、アンチエイジング

 

さらに、さまざまなビタミンDの研究成果等を列挙します。

・2008年京都大学発達小児科学依藤亨先生「小児の頭蓋ろう(頭部が軟らかく容易にへこむ状態)が増えていて、日本の新生児に潜在性のビタミンD欠乏症が非常に多く、特に母乳栄養児ではビタミンD欠乏の改善が遅れる」と指摘されました。

・母乳栄養群では、調整/混合栄養群に比べて明らかに血中ビタミンD濃度が低く、20ng/mlより低い「欠乏状態」にある乳児が多かったことがわかりました。

・血中ビタミンD濃度が10ng/ml低下するごとに、ラクナ梗塞の頻度が高まる傾向が見られた。

ビタミンDが低下すると高齢者の心不全発症のリスクは約12倍高まりました。

ビタミンD3には強力なNO(一酸化窒素)産生促進作用があることがわかりました。(NOはプラズマ療法の主体をなし、がんのアポトーシス等、さまざまな作用がありますね。)

・血中ビタミンD濃度が低いと、糖尿病を発症しやすい。また、ビタミンDの補充により耐糖能改善に有効であった。

・血中ビタミンD濃度を上昇させれば、脂肪肝患者の肝脂肪量を減少させる効果があると考えられる。

NASH(非脂肪性肝炎)患者にビタミンD投与を行うことで肝臓内の脂肪の減少が確認された。

・血中ビタミンD濃度がもっとも高いグループは、もっとも低いグループと比較して、乳がんを発症するケースが21%少なくなっていました。

・ビタミンDレベルが高い場合には有意に肺がんのリスクが減少していた。

・血中ビタミンD濃度が上昇すると大腸がんのリスクが減少する。

急性骨髄性白血病患者で、ビタミンD欠乏患者は治療により症状が収まる確率が低く、入院日数も長い。

緩和ケアにおける痛みのコントロールに関して、ビタミンDを投与した群のほうが、痛みも少なく「生活の質」も改善している傾向が認められました。

・プロのアスリートで「シーズン中に骨折を経験している選手では、血中ビタミンD濃度が低い傾向がある」という研究があります。

サルコペニア(筋肉減弱症)群は血中ビタミンD濃度が低く、「生活の質」を評価する指標でも低値を示しました。また、ビタミンDの血中濃度が高くなると活力も上がるという関係も見られました。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の重症度と血液中ビタミンD濃度とのあいだに相関関係がある。

・ビタミンDの補給によってアレルギー性鼻炎の経過もよくなる。

・毎日わずか1000IUのビタミンD投与によって、小児のアトピー性皮膚炎の症状が改善する傾向が認められた。

円形性脱毛症にビタミンDが有効である。

不妊症の女性の約9割がビタミンD不足である。

認知機能が下がる原因の一つとしてビタミンDが関与していると考えられる。

うつ病の重症度は、年齢、性別、体格、喫煙状態、および慢性状態などにかかわらず、血中ビタミンD濃度が低いことと関連がある。

パーキンソン病患者ではビタミンDが病的に低い割合が19%であったのに対し、健常者ではわずか9%にすぎませんでした。

 

以上のように、ビタミンDがさまざまな疾患の改善に効果的なことが良く分かります。

ちなみに、ビタミンDは紫外線を浴びて皮膚で作る方法と主に青魚などの食品から摂取する方法、サプリメントからの方法の3つがあります。

感染に負けない体作りや心と身体の健康のために、室内にこもらずに、天気の良い日は積極的に外に出て散歩をしたり、青魚をしっかりとったりして行きましょう。

 

(参)医者が教える最高の栄養

2021.04.11[ 栄養 ]

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