がん検診は百害あって一利なし! – プラズマサロン ひだまり庵

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がん検診は百害あって一利なし!

近藤誠先生は、多くの医学論文を読み込み「がん検診百害あって一利なし」と結論付けをしました。かなり極端とは思いますが、今のがん検診は総合的には、エビデンスを無視して医療ビジネスになっています。

その最たるものは、前立腺がんを拾うPSAや乳がんのマンモグラフィーでしょう。

多くの調査の中で、英国の研究グループが、PSA検診で前立腺がんが見つかった50~60代の約1650人を対象に、監視、手術、放射線治療の3グループに分けて、10年後の死亡率を比較するランダム化比較試験を行ったところ、結果、どの治療法でも10年後の死亡率はほとんど変わりませんでした。

EUの臨床試験では、前立腺がんの死亡者を1人減らすのに、1410人がPSA検診を受ける必要があり、「異常あり」と診断されて、針を刺される生検を受ける人が339人、そして前立腺がんの治療を受けた人が、48人もいました。つまり、48人を治療して1人しか死亡を減らせなかったわけですから、47人は無用な治療を受けたと解釈することができます。

米国予防医学専門委員会も、1000人がPSA検診を受けると、1人の前立腺がん死亡を回避できる一方で、治療によって29人に勃起障害、18人に排尿障害が起こり、検診受診者の1000人に1人未満が手術によって死亡するとしています。そして、デメリットが大きいとして、PSA検診を推奨しないという結論を出しました。

また、マンモグラフィーによる乳がんの検診では、欧米で「過去の比較試験をいくつか集めて検討したら、マンモグラフィーに意味なし」という結果が出ています。

2015年に、乳がんと診断された約5万人を10年以上追跡した米国ハーバード大学とダートマス大学の研究で、検診の実施率が10%増加すると、乳がんの診断数が全体で16%増加する一方で、乳がん死亡数は減らないという結果が報告されました。

それどころか、英国の臨床試験データでは、50歳の女性1万人が20年間乳がん検診を受けると、43人が乳がん死亡をさけることができる一方で、129人が過剰診断を受けるという論文を発表しました。また、米国の30年間の検診データを検証した結果、検診で発見された乳がんの約3分の1が過剰診断だったと結論づけられています。

肺がん検診でも、比較試験の結果がいくつか出ていて「肺がん検診は、むしろ肺がん死亡を増やす。総死亡を増やす」という結果が出たので、欧米は肺がん検診を始めませんでした。

つまり、検診は効果がないばかりか、過剰診断、過剰医療と医療ビジネスは拡大する一方なのです。

ここで「夕張パラドックス」ということがあり、夕張市が財政破綻して市民病院を閉鎖したら、病気で亡くなる人が減り、老衰が増えました。病院が無くなったことで、市民の健康状態は改善され、ほとんどの病気で死亡率が下がりました。

ワクチンもそうですが、検診も、健康な人を医療ビジネスの対象にできます。

意味の無い検診をやめ、病院を減らせば、健康寿命が伸ばせるのです。経済的にも負担が減り、医療人の働き改革にもなるのです。今や、医療ビジネスの害は甚大です。各市町村で検診をやめて、軽い受診をひかえて行きませんか。

 

(参)がん検診を信じるな、医者に殺されるな

2023.08.12[ がんブログ ]

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