私たちの身体は、食べたもので出来上がっています。そして、食べたもののお釣りは“便”として排出されます。便は文字どおり、体内からの「便り」です。
身体が良い状態かどうかは、便を見れば分かります。油や砂糖まみれだったこれまでの食生活を変えるだけで、便の状態も確実に変わります。当然、便秘も食生活の表れです。
では、食事内容によって、便はどのように変わるかというと、以下になります。
A:アフリカの農村地域で、穀類、豆類、ジャガイモ、ヤマイモなどをほとんど加工しない食事で、穀類や根菜類が食物繊維の主な供給源になっている場合では、便はおよそ1日半で通過し、1日400~500gの便の量になります。
B:欧米地域で、精製した小麦粉で作ったパン、砂糖、油脂類の多い食事で、果物や葉菜が食物繊維の主な供給源になっている場合では、便はおよそ3日で通過し、1日80~120gの便の量になります。
このように、「穀類や豆類」と「砂糖や油脂類」を多く摂るのとでは、便の出る量が大きく異なります。また、便が出やすくなると色も変わります。便通の良い人は「黄土色」や「黄色」の便ですが、便秘がちな人の便の色は「こげ茶色」をしています。
さらに、便の量や色だけでなく、便の臭いも便通の悪い人は臭く、強くなります。
そして、便秘のために食物繊維の多い野菜や海藻を取ると良いとされていますが、あまり解消されません。野菜や海藻からの食物繊維は「水溶性食物繊維」が主であり、大腸粘膜の保護や有害物質を体外へ運ぶ働きがあります。一方、穀類や豆類に含まれている「不溶性の食物繊維」は腸もぜん動運動をさかんにして便の排泄を促してくれます。便秘の解消に直接関係するのは、穀類や豆類に含まれる「不溶性食物繊維」の方です。
ですから、便秘を解消したいのなら、デンプンが入っているごはんやサツマイモなどを十分に取ることが必要です。日本食の基本のごはんをしっかり取ることが大切なのです。
一方、朝食にパンを主食にしている方が増えていますが、パンを主食にすると、必然的に高脂肪な食事になります。パンにわずかな葉野菜とドレッシング、ウインナーやハム、牛乳、ヨーグルトなどのメニューと昔からの朝食とでは、身体に及ぼす影響は大違いです。
腸内の善玉を増やし、おなかに良いとされる機能性の乳酸菌を含むヨーグルトを毎日、欠かさずに食べている多いです。しかし、乳酸菌が腸内に届くことと、善玉菌が増殖するというのは全く別問題です。その他の腸内環境を整えない食事を受け付けている腸には、そのような人工的な乳酸菌は定着することはありません。しかも、ヨーグルトは脂質や糖質を多く含んでもいるので、おなかに逆効果なことが多いのです。
おなかには、「まごはやさしいは」を基本にした和食にして、良い便りを地球に戻して行きましょう。
(参)乳がん患者の8割は朝、パンを食べている