ガン細胞の通信物質“エクソソーム”の不思議な働き – プラズマサロン ひだまり庵

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ガン細胞の通信物質“エクソソーム”の不思議な働き

細胞はさまざまな物質(サイトカインやホルモン、アポトーシス小体など)を分泌して、お互いの情報のやり取りをしながら生体機能を維持しています。

体内環境の悪化によってガン化した細胞も同様に、さまざまな物質を分泌しています。
ガン細胞の成長に必要な栄養を届ける血管を新生するための物質や免疫細胞から攻撃されないよう逃れる仕組み作りの物質など、とても興味深いものです。
その中で、今回はガン細胞が分泌する「エクソソーム(又はエキソソームexosome)」という顆粒についてお伝えします。


このエクソソームという顆粒は、正常細胞でも多く分泌していますが、ガン細胞においてもガンの増殖や転移、再発において重要な役割を果たすことが明らかになってきています。この顆粒は、直径30~100nmの膜小胞です。
この顆粒の中にさまざまなタンパク質やHSP(ヒートショックプロテイン)、mRNA(メッセンジャーRNA)、miRNA(マイクロRNA)といった物質が含まれています。
このmRNAは、数百種類以上あり、血液中を流れていて、遺伝子の働きを調節し、細胞の働きを変えてしまう作用があります。
例えば、ガン細胞がエクソソームを使って血液脳関門を突破する方法は、まるでコンピュータウイルスのようです。血液脳関門を構成する内皮細胞は、エクソソームをガン細胞から来たものと知らずに受け取り、カプセルを開封してしまいます。すると、エクソソームの中に潜んでいたmRNAが内皮細胞の中に侵入して、遺伝子の働きを変えることで、血液脳関門のバリアを緩めさせてしまうのです。そして、緩んだ部分からガン細胞は脳内に入り込み、転移することになります。

さて、ガンは悪い食事やその他生活習慣などによる体内環境の悪化によって、私たちの細胞が自らガン化したものです。
その大本のガン幹細胞が、エクソソームやタンパク質を使って周囲の正常細胞に遺伝子変異を起こさせることによってガン細胞に変身させます。決して正常な細胞に遺伝子変異が蓄積したからガン化したのではなく、エクソソームやタンパク質を受け取ったことによってガン化したのです。

ですから、ガン細胞はエクソソームを使って生存しやすい環境に変えるために、細胞外基質の分泌を促進するように働きかける。免疫細胞に対しては、ガン細胞を攻撃することのないように働きかける。血管内皮細胞に対しては、腫瘍組織内に血管を張り巡らせるように働きかける。このように、さまざまな働きかけを行ってガン細胞は成長していくのです。


さて、エクソソームの内部の物質は、分泌された元の細胞の特徴を反映しています。
ガンのタイプにより、放出するmiRNAの量や種類が異なるので、国立がん研究センター研究所では、血液1滴で13種類のがんを早期発見できる装置を開発し、体内にどんな種類のガン細胞が潜んでいるかを突き止めることが可能になりつつあります。
但し、さらなる早期発見をしても、今の治療レベルの西洋医学では、ファーストチョイスに相応しい治療技術がないために、患者によけいな不安を与えてしまう可能性があります。
ちなみに、がん活性消滅療法(CEAT)はこの診断技術をとうに上回っていますし、診断と同時に治療も可能なので、ぜひこちらの検診も受けてみて下さい。

(参)がん活性消滅療法

2019.09.27[ がんを理解しよう ]

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